こんにちは、Washioです。
プロの画家専業でやっている方はすごいですね。
私は現在副業的に絵を描いていますが、完成作品を販売するというよりほとんどがオーダーで肖像画やペットの絵を描いています。
目次
出来そうな事しかやらないと人生が下がる話
絵のオーダーを頂けるようになって1年余りが過ぎました。
始めのころは描けそうなものしか引き受けませんでしたが、数をこなしていると、「絵」としてのテクニックは上がっているような気がしますが、ふと気が付くと「こなしている」感が気になってきました。このままいったらだんだんダメになる気がして立ち止まって考えました。
難しいオーダーを受けるとスキルが上がる?
描きやすいものだけ引き受けていた頃に、あるお客様からちょっと難しいご依頼がありました。
そのご依頼とは部下の方が結婚退社するお祝いのサプライズで渡す作品で、L版の写真をスマホでこっそり写してきたものを、B3サイズの作品にしてほしいという物でした。
「絶対に無理!」と思いましたが、その方からは何回かご依頼を受けているのと、人間的にも本当に尊敬できる方なので、覚悟を決めてお引き受けしました。
出来そうな仕事だけを受けているほうが安心でしょうか?
その通りなんですが、確かに出来そうな仕事だけを受けているほうが安心ですし、作品を仕上げるまでの時間や材料の予想もできます。
少し言い過ぎですが、余裕で仕事がすすめられます。
その余裕にというところが問題なんですが、「余裕で進める」と「手を抜いても大丈夫」は、紙一重なところがあります。
余裕で進めすぎると、次のオーダーの予定や段取りを考えてしまう事があり、目の前の作品作りに集中しきれていなかったりします。
これが難しい注文をいただくと、果たして自分の技量で満足いただける作品が出来るのかという不安と、きっと満足してもらおうという気持ちで、準備や計画を立て、何度も試して作品を完成させます。
苦労して完成した作品には、今までにはなかった結果が必ずあります。
もちろんそれは自分だけにしかわからないものの方が多いのですが、自信と満足に満たされます。
難しいオーダーを受けるとリピートが来る確率が上がる(気持ちがお客様に伝わる)
難しいオーダーを受けると、それを克服し完成した作品を創るために、必死に努力します。
なぜか作品を通してだと思うのですが、その努力と工夫がお客様に伝わるせいか、リピートでの注文が入ることがあります。
美容師を長年していて多くのスタッフに話してきたことで。
3年間美容師になって頑張れば、一人前になると思い3年経つとまだまだな自分がいる。
10年間美容師をしていれば、もう学ぶことなどないと思い10年経つとまだまだな自分がいる。
20年間美容師をしてやっと気付いたことは、美容師でいる以上は生涯勉強だと言うこと。
技術を学ぶ上で終わりはないと言うこと。
同じように絵を描く仕事も、そんな姿勢がお客様に伝わるとリピートにつながる気がします。
難しいからと言ってクオリティーは絶対に妥協しない
「こんな難しい注文ならこのぐらいしかできないよ」なんて心の中で訴えるもう一人の自分がいます。
「難しいオーダーを受けるとスキルが上がる?」で紹介したL版の写真の作品も、本当に苦労した作品でした。
L版なんてこんなに小さな写真をB3サイズの作品なんで絶対無理だー!
と、このくらいに出来ればいいじゃん。的な仕上がりに陥るのをひたすら頑張って、自分の出来る限りの知識やスキルを総動員して、何度も書き直して出来と時には本当に完成作品をお渡ししないで、自分の所に置いておきたいぐらいの気持ちでした。
その後、小さい資料で大きく描けるという自信がついて、階段を一つ上った気がしました。
その作品は注文者のお客様が、部下にプレゼントするものです。
絶対に顔をつぶすわけにはいきません。
そんな気持ちで取り組んだのが良かったのかもしれません。
妥協すれば、信用も自信も失ったでしょう。
納期とクオリティーのバランスを慎重に決める
自分の技量、プラスアルファの作品を創るときは、当たり前のようですが納期を考えましょう。
あまりにも期限がないのもだらだらしていけませんが、納期に焦ると完成度を下げます。
ある程度の挑戦は必要ですが、あくまでも仕事ですので絶対に無理な納期は避けましょう。
とは言え上記の作品を描き上げるまでに3日間くらいは徹夜をしてしまいましたが・・・・
期待以上の作品か、意外な作品が効果的
上記の作品を例にすると、ご依頼者は当初二人の姿だけが絵になればいいと思っていらしたようです。
しかし、せっかく二人で写した思い出のスカイツリーの写真ですので、それとわかる方が絶対にいいと思い、東京の夜景や、足元から見えるガラス越しの道路などをなるべく忠実に描こうと思いました。
その分ご本人たちは少し小さくなってしまうのですが、思い出の一場面と言うことでお話して、「よく解らないけれど任せる」の一言で進めました。
結果お渡しした時はとても驚いていただき、部下の方も涙を流してくれたとお伺いしました。
ご依頼者の期待以上のものか、意外な物。
期待以上っていうのは、当たり前ですが難しいです。
角度を変えて意外性のある作品を考える。というのも良いかもです。
結局はご依頼者の満足度でしか量れない画家としての評価
自分では「この作品は生涯最高の出来栄えだ」と満足してもその満足はご依頼者が喜んでいただけなければ、全く意味がありません。
美容の世界でも同じですが、美容師がこのスタイルはお客様に本当によく似合っている。と思っても、お客様が気に入らなければ0点なんです。
どんなに素晴らしい技術でも、高価な薬品を使ったとしても同じこと。
結局はご依頼者の満足度でしか量れないのが、画家としての評価です。
話しが食い違っているようですが、自分が全力で向かった仕事は、お客様が気に入らなくても(気に入らなくてもいいよっていう話ではなく)仕方がないと思えます。
しかし、自分の中で少しでも手を抜いたり、妥協したりした仕事は後々まで後悔が残ります。
私自身がいつも自分に言っていることですが、
人は常に自分に甘くなってしまう。
人は常に自分を許してしまう。
甘くなったり、許してしまうのは制作の途中では絶対にダメ
すべてが済んだ後で反省し終わってから、自分を許して甘やかしてあげましょう。
少し難しいかなと思う仕事は積極的に引き受けて、人生を上げましょう。
とても無理だという事はとても無理です。
しかし人間はプレッシャーが少しあったほうが良い仕事が出来ます。
少しのプレッシャーの克服を繰り返していく。
気が付くと大きく前進しています。
当たり前のことですよねー。
当たり前のことをして少しでも人生を上げましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
これは毎日自分自身に言い聞かせていること。
少しでも幸せになりたいと思っています。
Washio