日々の出来事 画家として 絵を描く

雑で早い・丁寧で遅い効率と完成度は絵を描く時にどう考えるか?

 

 

 

雑で早い・丁寧で遅い効率と完成度は絵を描く時にどう考えるか?

アートといってもいろいろなジャンルがあります。

私は専門的な美術を習った事はないので、自分が仕事をしていての悩んだり壁に当たったりしながら自分なりに解決してきたという内容です。

 

アートの場合カテゴリによっては色々あると思います。

印象画や抽象画など一見フィーリングで描いているように見えても、実はそこに行き着くまでには大変な努力があると思います。

先日ビジネス系のセミナーに行った友人が、酒の席でもっともらしく言っていました。

「拙速は功遅に勝る」

これは中国の兵法書「孫子」にこうした格言があると言う話。

これは巧みでも遅い(巧遅)よりは雑でも早い(拙速)方が良い、という事で完璧さを追求するあまり時間がかかりすぎて気を逃しては元も子もないという意味だ。

と鼻息荒く説明してくれた。

私も孫子などはよくわからないので「そうなんだー、すごいね」

くらいに聞いていましたが、私が今まで携わってきた、美容師という仕事や現在の画家という仕事を重ねてみて、なるほどーっと最初は思いましたが、いや待てよと思い返しました。

「拙速は功遅に勝る」

この格言、「フジイユウジ」さんの記事で読んだことがあると思い、自宅に帰ってから調べた。

 

友人の説明だと、思い切り簡単にいうと

「多少雑でも早い仕事のほうが、丁寧でクオリティーが高いものに勝る」

そんな感じでしたが、本来は「戦術ではなく兵站や国家経済という戦略的、計画的なさい」という話で、「雑でも良いからどんどんやれ」とは逆の話。

限られた時間で行うことであれば、優れた出来栄えを求めるよりは多少クオリティーが下がっても時間に間に合うように行おう。

という意味。

それが雑でもいいから早くやるを心がけるに代わっってしまったか。

ちょっと違うところがあるかもしれないので、しっかりした事は

フジイユウジさんの記事を読んでほしい。

「拙速は巧遅に勝る」ー孫子はそんなこと書いてないーすぐ「巧遅より拙速」とか言ってしまうひとたちへ

 

まあ仕事やその分野にいよって色々考え方があるが、私たち画家はどう考えたら良いのかと思った。

私は長い間美容師という仕事をし、現場美容師としてサロン経営を30年やってきた。

修行中は確かに先生方に

「時間には必ず間に合わせろ」

「どんなに雑でも、だんだん時間を縮めれば良い」

なんて言われた育ちましたが、それはあくまで練習の時で、実際にお客様に施術するときは「雑」はあってはならない。

美容師の練習の時は技術内容にもよるが、例えばパーマのロッドを巻く時は20分で巻く。

なんてものがあった。

これは当時美容師のワインディングコンテスト(ロッドを巻く事)や国家試験の実技時間などからきていて、営業でもシャンプーツーシャンで15分。

当時は割とあった、カーラーやピンカールでのセット巻き時間は15分。みたいな決まった時間割があった。

それは実際の営業でサロンスタッフのそれぞれのポジションでの連携。チームワークで進めていくために時間が限られていたこともあって、練習中は、とにかく時間に間に合わせろ、という教えがあったし、私もそうやって指導していた。

前出の「拙速は功遅に勝る」の話に少し近いものがあったが、実際はベテランになるほど短時間でクオリティーの高い仕事をしていた。

それは美容業界での話だが、現在画家として生活しているものとして考えてみると「孫氏」の話から少し脱線してしまうが、仕事はやはり早いほうが遅いより良い気がする。

しかしそこには自分自身納得できる出来栄えか、と言うのが大切ですよね。

これは私としての考え方なのですが、私自身自分の作品が優れた現代のアートだとは決して思っておらず、沢山のご家庭に原画にしかない絵の素晴らしさを感じて頂けたらと思う「インテリアアーティスト」だと思っているところから、自分で納得クオリティーの作品を効率よく制作できればと思っています。

なんだ当たり前じゃないか。

と言われると思いますが、効率よくある水準のクオリティーを持つためには、美容師の頃に思い切り叩き込まれた、「日頃の練習」だと思っています。

本格的な芸術家の方のように、ひらめいてすぐさまキャンバスに向かい「えいっ、やー」というわけにはいきません。

季節や出来事や客層などを考えて、もちろん自分の感性を信じて閃くことも含めてですが。

大まかな題材が決まったら、それに沿った構図や構成をいくつも考えて、モチーフなどを練習済ます。

それが今こだわっているのが一本のモミの木だとしたら、時間のある時は1日でも2日でも「もみの木」ばかり描いている時もあります。

そうすると練習するうちに短時間で確かなモチーフが描けるようになります。

それを組み合わせたりばらしたりしながら作品をつくっていきます。

似た感じの作品をいくつも量産する。ということはよくあることです。

これも美容師と一緒にすると怒られるかもしれませんが、前出したワインディング(ロッドを巻くこと)も、沢山の練習でとても素早くかつ、それぞれのお客様の毛流と希望のデザインに最適なワインディングができていきます。

美容師を30年やってきた人間が、画家に転向して勝手なこと言ってるなーとお思いでしょうがお許しください。

先ほどの本格的な芸術家の方の話としても、一つの作品に関して一つ一つのモチーフをものすごく練習・トレーニングを重ねて本作品に入っていく方何人も知っていますが、特に私のようなインテリアアーティストは、一つの作品を完成するのにそれほどの時間はとることはできないと思っています。

ここで孫子の話に戻りますが、雑でも良いから早くやれはと言うのは時間が限られてくる時もあるので、日頃から始めたら素早くできるように鍛錬しておけ。

と言うのが、私が孫子の話を理解した答えです。

合ってるかどうか知りませんが、最初に話した飲んだ席で宣っていた友人、機会があったら私がのたまいたいと思っています。

今としては絵を描く自分なりの心構えを自分に向けて記事にしてみました。

そうだそうだーと思っていただける人がいれば嬉しいです。

また、「それは違うぞ」と思った方は、おっさんのつぶやきだと思ってスルーしてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

またよろしくお願いします。

washio

 

 

 

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