キャンバス裏の処理方法と使う素材・額装しなくてもおしゃれに飾れる。
張りキャンバスの裏処理材を自作した話。
目次
額装しない作品
最近はキャンバスのまま飾れる作品をたくさんみかけますし、washioもキャンバスのままの作品の方が多いかもしれません。
額装する作品は、キャンバスの裏側は見ることないのでそのままでも良いのですが、キャンバスのままお客様にお渡しする作品は、布が裏側にホチキス留めしているものや、サイドに釘を打たれているままのものをお客様にそのままお渡しすることに抵抗を感じるようになりました。
調べると、張りキャンバスの側面や裏面に貼るテープの存在がありました。
本来は製本テープのようですが、張りキャンバスの側面などに貼り付け、キャンバスを守ったり側面を綺麗に見せたりと、みなさんそんな使い方をしていました。
私も製本テープで試したことがありましたが、素材が張りキャンバスの物と違うので違和感を感じたので製本テープは諦めました。
張りキャンバスの裏処理のDIY
繰り返しになりますが、額装せずに飾る貼りキャンバス作品も多い昨今、裏面壁に掛けてしまえば見えませんが、購入していただいたお客様が手に取った時にキャンバスの裏側まで綺麗に処理してあった方が嬉しいのではないかと思い、キャンバスの裏処理をするようになりました。
カットキャンバスを使ってみたが
最初に考えたのはカットキャンバスを裏処理するキャンバスに都合のよい大きさにカットして貼りましたが、絵を描くためのものを、裏の処理のために切り刻むのはどうも心苦しく、何かないかと考えてました。
張りキャンバスの素材に注目
現在、使っている張りキャンバスの素材は「麻」であったり「綿」化繊混紡の物もあります。
自宅にあった妻が洋裁に使っていた木綿も端切れをもらい、ジェッソを塗って乾かしそれを使うことを考えました。
実際にやってみると思ったよりも簡単に、製本テープよりも断然張りキャンバス素材に近いものができました。
簡単なことですが、わかりやすいように手順を記します。
木綿を使ったキャンバス裏処理材の作り方
使用するもの
布
ジェッソ
木製パネル
以上です。
布にジェッソをぬるだけなので、やり方なんていうほどのことではないのですが、実際にやって見て失敗したことなどを共有できたらと覆います。
布について
布は麻でも綿でも化繊でも良いと思いますが、自分がやって見てしっくりきたのは薄地の木綿でした。
張りキャンバスが麻でしたので、麻布にジェソを塗ったことがありますが、ジェッソの浸透具合をスムースに行うことがちょっと難しいような気がしました。
私が最適だと思ったのはのは薄手の木綿でした。
ジェッソを塗った後の雰囲気も、カットした感じもしっくりきました。
大きさは?
当たり前のようですが、あまり大きいと処理が大変ですし、先ほど用意するものとして載せましたが、「木製パネル」ベニヤ板で良いのですが、そこに布を広げてジェッソを塗っていきます。
その時にあまり布が大きいと木製パネルの扱いや布の捌きが大変です。
私はB3サイズの木製パネルを、それ専用として使っています。
器用な方はチャレンジして見てください。
下に引くベニア等はジェッソでガビガビになるので、専用とした方が良いかもしれません。
ちなみに、B3サイズの木製パネルにちょうど良いサイズの布は、F8サイズを満たす裏処理用の布が取れます。
布を一旦水に濡らしてからパネルに乗せる
布は乾いた状態だとジェッソの浸透がわるいので、一度しっかり水につけて濡らします。
強く絞ると、絞りジワができてしまうので優しく水分をおとします。
布を木製パネルに載せますが、ぱつぱつに綺麗に貼り付けると、ジェッソの浸透がムラになりますのでそっとキレイに乗せます。
水で薄めたジェッソを軽くローラーで広げます。
薄めたジェッソを布の上にてんてんと均等に置き、それをローラーで広げます。
あまりローラーを強く押し付けすぎるとジェッソを絞ってしまことになるので、力の入れ具合を考えながらやりましょう。
少し乾いたら一度はがす
少し乾いたら一度はがしましょう。
しっかり乾燥するまで置いておくと、はがすのに大変です。
少し乾いた状態で、そっとはがしてまたキレイに置き直しましょう。
完成
それをしっかり乾かせば完成です。
多少のシワは、もとが木綿なのでジェッソを塗った裏側からアイロンをかければキレイになります。
張りキャンバスの裏に貼る
キャンバスの裏に貼ります。
貼り幅は、キャンバスの種類やセンスによると思いますが、ここでは私のやり方を載せておきます。
キャンバスの側面まで描いているために、張りキャンバスは背面ホチキスのものを使用します。
ですので裏のホチキスあとを隠すことができるような幅で行います。
こんな順番に貼れば、キャンナスに対してキレイに貼れると思います。
接着剤は木工用速乾ボンドでよいかと。
処理するとしないでは、お金を払ってくれたお客さまの気持ちを考えれば明白だと思います。
注意すること
私がやって見て失敗したこと、思ったことを繰り返しになりますが載せておきます。
布は少し薄め、ジェッソは薄める
布は少し薄めが良いと思います。
ジェッソも伸びを考えて20%くらい水で薄めます。
布が厚いとジェッソを吸いすぎて大変です。
ローラーを使って伸ばす
ジェッソをのばすのに、刷毛よりもローラーの方がずっと塗りやすいです。
ただしローラーを押し付けすぎないように要注意。
ジェッソは普通のジェッソでも十分良いのですが、リキテックスの胡粉ジェッソを使うと良い雰囲気になります。
気になる方はお試しください。
ジェッソを塗ったら完全に乾かないうちに一度はがす
完全に乾いてしまうと、布をパネルからはがすのにとても苦労します。
私も普通のベニヤを使い完全に乾いてから剥がそうと思ったら、あまりにもしっかりついていて、ベニヤを割ってしまったことがありました。
ですのでもしものことを考えてベニヤ板ではなく木製パネルにしました。
しかし完全乾燥しないうちに、剥がせば問題ありません。
重要なこと
ここでのことは私個人が思って実行したことです。
キャンバスの裏にボンドを使い処理することは、キャンバスに描いた作品を木枠か外すことは大変困難になります。
そこをよく考えてお試しください
まとめ
張りキャンバスの背面が気にならない方は全くいらない情報です。
また側面釘うちキャンバスは、側面まで絵を描くことはあまりしないので、むしろ釘打ちが格好いいと思う方もいます。
今回はあくまでも私個人が考えたやり方で、皆さんの参考になればと思い記しました。
繰り返しになりますが、接着剤で裏処理をしたキャンバスは、木枠から剥がすことは困難になります。
そこのところも考えて試してください。
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました。
自分の試したことが少しでも絵を描く仲間の参考になればと思い記事にしています。
これからもよろしくお願いします。
washio