木炭で描く言うと、木炭デッサンで芸大や美大を目指している学生さんたちを連想しますが、壁に一枚飾って置くのにも木炭で描かれた絵画はとても新鮮に感じます。
芸大や美大などでは必ずと言っていいほど木炭のデッサンを学びます。
しかし独学で画家を目指している者にとっては、木炭で描くという習慣はあまりないのではないでしょうか。
目次
そもそも木炭で絵を描いた歴史は?
クロマニョン人が、ラスコーの洞窟に動物を描いているから、5万年ほど前には、すでに使われていました。
(wikipediaより参考)
木炭とは木が燃えて炭になっただけの原始的なものですが、木の種類によっては硬さや太さが違い描いたときの表現が違います。ただ 一般的に使われているのは、柳の木かた作られた木炭が多いようです。
鉛筆の場合こまかい部分は描きやすいですが、大きな量感を出すには時間がかかります。
作品を創り始めるときは細かいところばかりに注意が行き過ぎないようにして、作品の全体像を把握することが大切です。
そういったことでも木炭は、量感、空間を短時間で把握するのに向いていますし、修正する場合でも手でこすって消す・ティッシュで消す・練り消しで消すなど、消した後に残った部分も味が出て、面白い表現が楽しめます。
コツとしては、繰り返しになりますが、初めから正確な形を捉えるのは難しいので、描いていく課程の中で修正を繰り返します。
木炭デッサンでは、この修正作業が鉛筆デッサンよりも比較的容易にできます。
結局、時間が同じなら木炭デッサンの方が鉛筆デッサンより作業量が多くなり、基礎的な力が自然と身についていくような気がします。
そして、形が狂いにくくなれば鉛筆デッサンだけでなく、着彩表現においても制作スピードが上がります。将来的に油彩や水彩などのペインティングも視野に入れているのでしたら、鉛筆デッサンより木炭デッサンの方がはるかに効率的だと思います。
特に美大受験生ならまだしも、社会人や主婦の方は限られた時間の中でなるべく手短に上達したいところです。
木炭の芯抜きは必要です。
木炭の芯抜きは必ず行いましょう。
木炭の原料には、木の幹(幹材)を子割にしたものと枝部分(枝材)を利用したものがあり、それらを炭化させて作られています。枝材には、中心部を通る道管があり、焼成によって外側部分と性質が異なる炭となります。その部分を「芯」と呼び、描画に使用する外側部分と色味が異なり、定着も悪いため、作品に影響を与える場合があります。芯抜きを用いて、あらかじめ丁寧に芯を取り除くことで、支障なく描画することができます。
ホームセンターになどに売っている真鍮製の針金でも抜くことはできますが、高いものでもないので専用の芯抜きを買ったほうが簡単で上手にできます。
木炭で絵を描くための道具
・支持体
木炭紙が描きやすいと教わりましたが、私の場合木炭紙は思ったよりも木炭の定着が悪くその都度定着剤で止めながら描いていると結果汚くなってしまうので、水彩画用紙が描きやすいように思います。
またこれも私の場合で恐縮ですが、布キャンバスにジェッソなどの下地材で処理して描くのも楽しい表現ができると思います。
(カラージェッソを下地に使いました。)
・木炭
伊研木炭 個人的に伊研の木炭が好きで使います。
最初は太さや硬さが組み合わせパッケージされている物が便利です。作品のサイズやモチーフによって使い分けたい時に組み合わせてある物が良いと思います。あとは使用料によってサイズを買いたしていけばよいと思います。
・スポンジ
これは優しく木炭を紙に広くのせるような感覚で使います。
・ガーゼ
何回か洗濯したりかなり使い古した物のほうがしっかり紙の目に擦り込めます。しっとりと紙に定着することで木炭の美しさが出ます。
・水スプレー
アクセントをつけたい時に離れたところからちょっとかけると面白い表現が出来ます。
・練り消しゴム
細かいところを表現するとき、瞳の反射光などを表現するときは尖らせて使ったりなど。
・擦筆(さっぴつ)
擦筆(さっぴつ)とは紙などを原料とした、尖った鉛筆の形状をした画材です。その名の通り、描画材の粒子を支持体に擦り付けて粒子の状態を変化させます。
まとめ
鉛筆デッサンはハッチングなど線で描くものという概念があります。見ている景色・モチーフなど全てがくっきり線で区切られている物ばかりだと時には面白みもなく疲れてしまいす。
ぼんやりした境界線など表現方法にはたくさんのやり方があります。曖昧に見えるモノの中にも美しいものは沢山あったり、基本と言われることがすべて正しいものではないと思います。
ゴッホやピカソなど偉大な画家たちも、いろいろなことを試したり、時には批判されたりしながら素晴らしい作品をこうして後世に残しているのです。
生意気な表現をしましたが、そんなことを考えて絵描きの道を進んでいると、とても楽しいかなと思い記事にしました。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
wasio