鉛筆画を描く時に、もっと黒ぬれたらいいな、と思うときはないでしょうか。
上の絵は私が描いたものですが、作品の背景は、今のところ最高に黒い表現ができていると思います。
目次
とりあえず塗り込む?
とりあえず濃いめの鉛筆でしっかり塗り込んでみます。
力を入れて塗り込むとかなり黒くはなりますが、紙の折り目の細部に入りきらない。
そして考えたのは、薄めのH系の鉛筆2Hくらいの物から徐々に濃い鉛筆を使っていって8Bまで塗っていくとかなりの黒さになります。
ただそうやって黒さを求めるとだんだん艶、というかテカテカしてきて、鉛筆画的にいかがなものか。
薄い色の部分はむしろマッドな感じなのに濃い黒の部分はテカテカしてしまうなんて違和感があると以前から思っていました。
色鉛筆の黒を使ってみる。
何か良い方法はないものかといろいとな素材を使ってみた。
まずは色鉛筆の「黒」を使ってみると鉛筆とは違う質感。
鉛筆の原料は黒鉛(グラファイト)だかいくら黒くても、グレーの暗い色なので色鉛筆のような黒とは違うようです。
やはりその部分だけ違う質感でいけません。
墨汁を使ってみた。
墨(墨汁)を使ってみましたが、やはり鉛筆画に使うとそこだけ違和感が出てしまいます。
墨の原料は煤(すす)なので鉛筆の黒鉛にかなり近いのですが、しっかりした黒になりすぎて、質感がかなり違ってきます。
原料自体がかなり近いものなので墨汁は良いのでは、と思いましたががっかりでした。
そのほかにインクやポスターカラー、アクリル絵の具など、いくつかの画材で試してみましたが、鉛筆の薄い色から濃くしていく途中でいきなり質感が違ってしまい断念しました。
大発見 やはり鉛筆には鉛筆です。
色々なサイトなどで探し求めても見つからなかったものが、偶然見えてきました。
ある日やはり黒塗りの研究をしていた時に、偶然描いた絵に水をこぼしてしまいました。
慌てて乾かすと、水で濡れてしまった黒塗りの部分が、何とも言えず自然な黒になっています。
そこで黒く塗っててかってしまったっ部分に後から筆で水を塗ってみるとなかなか良い感じになりました。
そうかと思い、鉛筆の芯をやすりで削って水に溶かしてそれを塗れば良いと考えました。
2ℍ位から8Bまでの鉛筆をやすりで丁寧に細かく削って、それぞれ水で溶こうとしましたが、鉛筆芯の粉と水が混ざらず良いものができません。
そこまでの発想は良かったのですが、お湯にしてもやはり混ざらないのです。
そこで思い出したのは美容室での仕事で昔、混ざりにくい薬剤を乳化剤を使って混合させていたのを思い出しました。
そのころ乳化剤がきれていると、美容師の先輩が台所洗剤を少量入れて代用していたことを覚えていて、もしかしたらと思い洗剤を少量混ぜると、予想通り鉛筆芯と水が分離をやめました。
しっかり混ざりはしませんがぬれた筆に鉛筆芯をうまくなじませて、鉛筆で軽く下塗りした場所に塗ってあげると、いい感じに黒くなります。
それを乾かして塗ることを数回すると、かなり黒く、そしててからないものが出来上がりました。
なれは必要ですが、思っていつような鉛筆画での黒が見つかり感激です。
もちろん水を使うので髪は木製パネルに水張りは絶対です。
黒塗りの手順
①芯をやすりで削る
②削った芯の粉を乳鉢でさらに滑らかにする。
③水を混ぜて、洗剤を少量入れる。
④一晩寝かせる。
これで描きやすい鉛筆液ができます。
右が鉛筆だけの黒塗り。左が鉛筆液です。
あとは調子を整えてよいところまで重ねます。
混ぜる芯の濃さはB6とHを混ぜるくらいが丁度よいようです。
感想
この方法は、素人の私が自己流で考えてできたものです。
もしかしたらプロの方々はとっくに知っていたり、もっと良い方法をやっているかもしれません。
あくまでも中年すぎたプロの画家を目指す私が考えたものなので、される方は自己責任で、またさらに良い方法を考えてください。
夢を絶対にあきらめない。
幼いころから画家になりたいと思っていた。
私が子供の頃は、(今もそうかな)そんな夢みたいなことを言っていないでしっかり勉強しなさい。と皆に言われた。
自分も大人がそう言えばきっとそうかな、と思い少しずつ「夢はかなわないもの」だと思うようになっていった。
でも平均寿命の3分の2を使ってしまった今は、だれになんと言われても画家になって楽しむんだと心に決めています。